2020年10月2日金曜日

堺で「主戦場」が上映されます。

 阪和堺市駅前のサンスクエア堺で行われる上映会のお知らせです。上映されるのは「主戦場」。結構評判になったので既にご覧になった方もいらっしゃると思います。

主催は「『主戦場』堺・河内長野上映実行委員会」。チラシを見ると、元々は今年の5月30日に予定されていたようです。5月30日という日付が取り消し線で消されているのを見ると、今年の4月5月のあのドタバタを思い出します。そう、誰もが大変だったのよ、あの頃は・・・(今も終わってはいないけど)。この映画、劇場では2019年4月20日に封切られています。最初は全国18館で上映の予定だったそうですが、結果どうだったのかな。どちらかというとミニシアター系の映画館で上映されたような気がしているのですが、これもどうだったのかな。昨年のことなのに、既に記憶が曖昧です。      

この映画のジャンルはドキュメンタリーです。長編ドキュメンタリー。取り上げているのは「慰安婦」。「慰安婦」をめぐって異なる立場、異なる考え、異なる主張をする人々へのインタビューで構成されています。今「女は嘘をつく」発言で、女性たちの怒りをかっている杉田水脈さんも出演していますが、すごくたくさんの人が登場しています。予告編のアドレスを貼っておきます。


          https://www.youtube.com/watch?v=QqPYmfJpdXA

監督、脚本、撮影、編集、ナレーションはミキ・デザキ氏。このドュメンタリーは彼の最初の長編作品だそうです。昨年の4月20日が封切だったこの映画、今もあちこちで上映されています。またミキ・デザキ氏は出演者の一部から、騙されて出演した、劇場公開するとは聞いていなかった、映画の中で「歴史修正主義者」のレッテルを貼られ、名誉を傷つけられた等々として訴えられています。この裁判は昨年9月から始まっていますが、コロナもあり、なかなか進んでいないようです。

まだ見ていないという方、そしてお時間が許す方には是非見ていただきたいと思います。サンスクエア堺、第一会議室で14時からと18時からの2回上映です。

参加費というのか、チケット代というのかは18歳未満は 無料、18歳以上は1000円。連絡先はsyusenjyo.0530@gmail.com です。(PON子)

 

2020年9月15日火曜日

旧友を思い出させた荷物

 まるっきりの私事ですが・・・。コロナであんまりでかけなくなって何でもネット通販で買うようになった。ネットで目についた便利グッズも、これまでなら店舗に探しに行っていたが、そのままポチるようになった。

 その中には外国製品もあり、詐欺じゃないよねと思いながら、何度か買った。届くのに若干時間がかかるが、私が何より驚いたのが、その梱包。便利グッズの類だからそうなのかもしれないが、どれも梱包がスゴイのだ。破れてるとか、汚れているとかではなく、きちんと包まれているのだが、適当にきちんと包んでいるというか、多分私が自分で荷造りをしてももっときれいに包むだろうなと思うような包み方なのだ。最初は「この会社はそうなんだ」と思い、次には「ここもそうなのだ」と思い、次には「え?これも?」という感じ。もしかしたら、航空便というものがあまねくそうなのかもしれないが、その梱包に大分前に亡くなった友人を思い出した。


 彼は男性よりも、私たち女性陣と仲がよかった。よく一緒に旅行もした。後には彼の妻もその旅行に参加するようになった。彼の妻が亡くなり、彼も亡くなり、メンバーの夫が体を壊し出かけられなくなり・・・私たちの旅行は何年もないままである。彼が亡くなる前年には、高齢者福祉だよ、と言いながら彼の住む地域に出かけ、車椅子の彼を町に連れ出し、食事をした。

 その彼の作る荷物が本当にすごかったのだ。初めて見たときには「何かあったのか」と思ってしまったくらいにすごかった。ガムテープは四隅と真ん中に貼るものと思っていたが、彼が貼るガムテープは縦横無尽。何でそうなるのかわからないが、段ボール箱の角はいつも潰れて、四角の段ボール箱は、変則台形だったり、丸とは言わないが、変則複数角形だったり、いつも不思議な形をしていた。あて名書きはガムテープをよけて、これまた自由自在。上面から側面にかけて書かれていたり、箱の上に白い紙を貼り付けて(これがまた曲がって貼られている)、その上に書かれていたりで、後には見ただけで、彼からの荷物だとわかるようになった。 
                          

今回届いたアメリカからの荷物の梱包を見て、彼からの荷物とまでは思わなかったが、彼のことを思い出した。あて名書きが曲って貼り付けられ、ビニールテープが不規則にあちこちに貼られている。それでいながら、荷物全体にビニールテープが巻きつけられている。四角の箱の角は何となく潰れている。妙に懐かしい気持ちになった。恐ろしく不器用でいながら博識、いつも何事にも一生懸命、人間関係が全くと言っていいほどうまくいかなかった彼は今天国でどうしているだろう。生きていた時と同じように、妻さんにブツブツ文句を言っているのだろうか。停止したままの旅行。残りのメンバーが生きているうちにもう一度集まっておいた方がいいかもしれないという気持ちにさせられた個性的な装いの荷物たちだった。(PON子)

2020年8月28日金曜日

フェミニストカウンセリング堺主催の          講演会&対談企画。何と明日です。

 暑さが続いていますが、皆さまいかがお過ごしですか?

明日、フェミニストカウンセリング堺主催の講演会&対談の企画があります。   コロナに負けずに来堺するのは、河野貴代美さん。皆さん久しぶりなのではないでしょうか。

実は今年の1月に『それはあなたが望んだことですか―フェミニストカウンセリングの贈り物』というタイトルの本を出されたのですが、その出版記念会がコロナで次々に中止、延期においこまれました。この本、フェミニストカウンセリング堺の加藤さんも共著者になっています。

その本の出版記念とフェミニストカウンセリング堺の25周年記念を兼ねたイベント。「?」とお思いの方いらっしゃいますか?そう、3月に予定されていた講演会です。フェニーチェ堺で開催の予定だったのですが、コロナで中止、延期になったものです。今回は日本フェミニストカウンセリング学会の代表理事執行照子さんはご都合があわずに参加なさいませんが、河野貴代美さんとインタビュアーの小川真知子さん、フェミニストカウンセリング堺の加藤さんは最初の予定通りの参加です。もう一つ、会場がフェニーチェ堺ではなく、サンスクエア堺(最寄り駅JR阪和線堺市駅)になりました。元々の定員は100人の部屋ですが、Max50人での開催、参加費2000円、13時半開始です。

ガラガラ感の部屋で中身の濃~いフェミカン語りがきけると思います。何しろ明日のこと。皆さんご予定がおありかと思いますが、予定はステイホームという方は是非お出かけくださいますように。              (PON 子)






2020年8月8日土曜日


 


投稿がないまま1カ月が過ぎました。今日はこの前の投稿の女支会1か月後です。

もちろん、今日もやります。写真は先月の女支会。七夕飾りを作りました。

全員覆面でどんな悪者なんだという感じの記念写真と、作った七夕飾り、皆の願いを書いた短冊です。では今日の2時。フェミニストカウンセリング堺でお会いしましょう。



2020年7月10日金曜日

明日は女支会の日です。

明日は女支会の日。
何をしようかなと考えて、
7月7日は過ぎていますが、
8月7日に七夕祭りをするところも あることだしと、
七夕飾りを作ることにしました。



去年も
七夕飾りを作ったのですが、

書かれた願い事は

世界平和を祈るという大きなものから、個人的な小さなこと(秘密です)まで、
種々さまざま。        
今年はどんな願いごとが書かれるのでしょうか。まずはコロナ終息かな?

講座室には笹が運ばれ、飾りつけられるのを待っています。
明日午後2時からです。     (PON子)

2020年7月6日月曜日

今日、グループYOU開催します。

グループYOU情報をフェミニストカウンセリング堺のスタッフブログから転載します。
‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

熊本、鹿児島が大変なことになっています。
皆さん、どうぞご無事でと祈るしかできませんが、
大阪も結構大雨で、何とかこの雨の時期を無事に乗り切りたいと思っています。
大雨に加えて、コロナがどうした、こうしたと憂鬱なニュースが届きますあg、
グループYOUはめげずに開催です。
例によって、おやつも飲み物もなし。
飲み物持参、マスク着用でお越しください。(グループYOU)

2020年6月15日月曜日

久し振りの女支会報告


一昨日行われた久し振りの女支会。
全部で6人が集まりました。
マスク着用、飲み物持参の女支会は初めてのことで、
おやつも何にもないけれど、
久しぶりに会ってのおしゃべりは楽しいものでした。

話題はやっぱり新型コロナ禍での日常のあれこれ。
誰とも話すことのない毎日。
買い物以外に出かけることのない日々。
トイレットーペーパーがない騒動にマスクがない騒動。
かと思えば、最近マスクが値崩れをしている等の暮らしの情報などなど。

歯医者には行ってる?美容院は?と、
普段なら気にもとめずに行っていた場所が、
コロナ禍の中では、
何やら行きにくかったという気持ちの話や
外食を全くしていないという
禁欲的な暮らしの報告など、
それぞれにいつもとは異なる日常があったようでした。

来月からは通常通りに開催する予定ですが、
早くこの状態が落ち着いてほしいものだと思います。

最後に、今回初めて参加してくださった方は
「女支会」というネーミングが気に入って
参加してくださったとのこと。
名前にこめたメッセージが届いたことが嬉しい久し振りの女支会でした。(PON子)        



2020年6月12日金曜日

明日久しぶりの女支会を開きます

緊急事態宣言、休業要請、大阪モデルに東京アラート・・・
最早どれが何でどういう順番だったかもわからなくなりそうな昨今ですが、
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
確かなことは梅雨に入ったということ。そしてづぼら屋が閉店するということ。
コロナ禍でいろいろびっくりするようなことが起こっていますが、
づぼら屋閉店は、個人的にはこの先何があるのかと心配になるような出来事でした。
従業員さんは失業だよね。どうなるのかな。
昨年の天牛堺書店の倒産に引き続きの「えっ?!」な出来事でした。

さてその中で、倒産も廃業もせずに頑張っている
フェミニストカウンセリング堺と、
そのフェミニストカウンセリング堺を拠点に
頑張っているふぇみぱる堺ですが、
3月以降はさすがに両「堺」とも
あれこれの活動を取りやめていました。
で、6月に入り、そろそろと活動を開始しているのですが、まだ両「堺」とも本調子ではありません。
まだ最初のスタート段階にいる感じで、
トップスピードはまだしばらく出せそうもありません。
とは言え、そろそろと、おっかなびくり始まる活動の数々・・・いよいよ女支会も再開です。

他のグループ同様、マスク(暑いですよね)着用でお願いします。
それと講座室の外に用意してあったお茶もしばらくはお休みですので、飲み物持参でお願いします。
こんな状態がいつまで続くかわかりませんが、つまらないことに、しばらくはおやつもなしです。
2か月にも渡るお休みで、SNSによるコミュニケーション以外していないとなったら、
もしかしたら、上唇と下唇がくっついてしまうかもしれません。
そんなことにならないように、明日は是非おしゃべりにいらしてください。
お休みだった間にたまったあれこれについてお喋りをしましょう。
時間はいつも通り、2時からです。
それではフェミニストカウンセリング堺講座室でお待ちしています。(PON子)

2020年6月8日月曜日

明日は「さかい おんな 電話相談」の日です



明日6月9日は「NPO法人ふぇみぱる堺」の電話相談グループ「ぷるる」の電話相談の日です。毎月第2第4火曜日に実施しています。
女性が抱える様々な悩みのご相談をお受けしています。
           
番号は072-224-0670。相談時間は通常は10時から17時までですが、現在時短営業の影響で、10時から16時半までとなっています。お間違いのないように。
お気軽にご利用ください。
       (PON子)

2020年6月2日火曜日

グループYOUは、フェミニストカウンセリング堺主催、ふぇみぱる堺協力という形で共同で開催しています。6月1日ひさしぶりにグループYOUが開催されました。その報告がフェミニストカウンセリング堺のブログに掲載されましたので、転載します。(PON子)

昨日6月1日、久しぶりのグループYOUが開催されました。
長かった自粛生活で皆、喋りたいことがいっぱい。皆さん、家族以外の人と話すのは、超々久しぶりという感じでした。中には家族ともほとんど話をしなかったという方も・・・。
そりゃあ、普段は家にいない人に一日いられたら、お互い不機嫌にもなろうというもの。
よけいなことを言って八つ当たりされるより、黙っていた方が無難ということもあるでしょう。
また諸々の影響でうちを出にくいので残念ながら欠席するという連絡をくださった方もいらっしゃいました。
本当にこのコロナ禍、いろんなことで人に我慢を強いてくるものです。
話題になったのは定額給付金のこと。なぜ世帯単位にするのだろうという思いは皆共通。
女に自由になる金を持たせるな、家族の金は家長の金というフッルーイ考えの人が
政策決定の場にいるのでしょうね、きっと。
また誰とも話せないだけでなく、テレビをつければコロナの話ばかりというのも悪評でした。
恐らくテレビ局もそれ以外取り上げることがなかったのでしょうが、見る方はもうウンザリと言う感じで、
楽しい話、明るい話を知りたいのに、暗くなる一方だったという意見も・・・。
またテレビで見て、それは大変とティッシュやトイレットペーパーを買いに走った話などなど・・・。
皆一生懸命生きているんだな、また会えてよかったなと感じたひとときでした。

2020年5月25日月曜日


明日第4火曜日は「NPO法人ふぇみぱる堺」の電話相談グループ「ぷるる」の電話相談の日です。女性が抱える様々な悩みのご相談をお受けしています。

              

番号は072-224-0670。相談時間は通常は10時から17時までですが、現在時短営業の影響で、10時から16時半までとなっています。お間違いのないように。
お気軽にご利用ください。
       (PON子)

2020年5月16日土曜日

先月に引き続き女支会お休みです

緊急事態宣言なるものが出されて、一月半。国が解除を言い出したけれど、東京・大阪及びその周辺の県は継続だそうで・・にもかかわらず、大阪府は独自基準で解除を決定って、うーむ、我々はどうしたらいいんだ?という感じですが、皆さま、いかがお過ごしですか?

 緊急事態だからと言って、国に何かをしてもらった感じはありませんが、それでも大人しくStay Homeをしていたのは感染するのは嬉しくないなと思ったから。それで先月は女支会を急遽お休みにしました。感染を避けるには、手洗い、マスク等は当然にしても、可能な限り人と会わない、移動をしない・・が肝要なようでしたので。

で、いつまで続くのだろうという気持ちになっているのですが、皆さん、先日の日赤の抗体検査の結果についてニュースお聞きになりました?正確性に欠けるとかでもう一度1万人規模の抗体検査をする予定だそうですが、先の検査、抗体を持っている人はたったの0.6%だったそうです。ということは 99.4%、ほとんどの人が抗体を持っていないということになります。ということは、はやり始めたら、大流行しそうな気がしません?
次の流行時期については、諸説あって分からないのですが、念のために今月も女支会お休みにすることにしました。

集まっても問題ないような設えにするにはどうしたらいいか考え始めているのですが、アルコール消毒と、窓をあけることくらいしか思いつきません。喋りながら物を食べるのはよろしくないそうなので、おやつもお茶もなしというつまらないことになりますが、さらにはテレビでよく見る間に立ててる透明の仕切りああいうのもあったほうがいいのかな・・・等々・・ただ今考え中です。夏にはウィルスも元気がなくなるそうですので、もう少し暑くなったら、またお目にかかれるのではないかと期待しつつ、今日の女支会お休みの連絡でした。皆様気をつけてお過ごしくださいますように。  (PON子)
                                  

2020年4月10日金曜日

明日の女支会休止のお知らせ

緊急のお知らせです。少人数の集まりなので、感染リスクは高くないと考え、開催の予定でいましたが、緊急事態宣言なぞが発令され、現状誰が感染しているかもはやわからない状況ということですので、月に1回の女支会も休止にすることとしました。毎回参加くださっている方には別途ご連絡を差し上げたのですが、連絡がつかない方もいらして、急遽ブログにアップすることにしました。明日の女支会は休止です。5月も無理なんじゃないかな。お店もあちこち休みになっています。休業要請の対象をめぐって東京都と国との意見が異なるということがニュースで流れていますが、何だか国の対応はぬるいのではという感じもします。経済が、というけれど、人が死んでしまったら、経済も何もあったものじゃないと思うのですが、どうなんでしょう。それと、国民全員に太っ腹な補償をしている外国のニュースを見ると、日本ってケ〇だなと思う今日この頃・・・とこういう話はまたお会いしたときにすることにして・・・
明日の女支会はお休みです。電話が繋がらない〇〇〇さんがこのブログを見てくださることを祈っています。   (PON子)
               

2020年3月22日日曜日

40回目の昨日の女支会

3月21日、三連休の中日、女支会を開催しました。2016年7月にスタートした女支会。数えてみたら、昨日が40回目の開催でした。最初は隔月での開催、翌年は奇数月には第三土曜日、偶数月には第二土曜日に開催。2018年からは第三土曜日の開催に。この間、会場は北野田の男女共同参画交流の広場でした。2018年の6月はFC堺のイベントと重なったために休み。翌月から会場をフェミニストカウンセリングに変更しました。第三土曜日の同じ時間帯に交流の広場を使いたいグループがあり、何だか部屋取り合戦のようになることを避けたためです。2018年7月からフェミニストカウンセリング堺に場所を移し、毎月第三土曜日に開催してきた女支会。昨日はツイッターでお喋り中心と紹介したとおり、お喋り中心の会でした。
 話題はコロナ禍に始まり、単身であることで受ける不利益や差別にも話題が及びました。確かにこの社会の結婚圧力、出産圧力の強さには半端ないものがあります。結婚をしないことで変わり者扱いされた経験談も披露されましたが、同時に自分の意見を言ったら「変な人扱い」をされたという経験談も披露され、こういう話ができるところはなかなかないということなど、日常で感じる諸々についての話が出ました。
 話されたことの詳細をここで紹介するわけにはいきませんが、関心のある方は是非単身女性のための集まりである女支会にご参加くださいますように。非婚、未婚、離別、死別を問いませんし、プレの方も歓迎です。
 次回からは会場はフェミニストカウンセリング堺のままですが、開催日が第二土曜日に変わります。以前から参加くださっている方はお間違いありませんように。
 現在チラシをもう少し柔らかい雰囲気のものに、と作り替えている最中ですが、まだできていないので、以前からのチラシを添付しました。     (PON子)

2020年1月31日金曜日

2019年に観た映画 ☆ 極私的ベスト10


みなさま、お久しぶりです。矢車菊香です。
と申しましても「知らんけど~?」とおっしゃる方がほぼ100%ではないかと。
なにしろこのfemiPalニュースに拙文を載せていただいていたのは、もう78年も前のこと、長らくご無沙汰しておりました。あれからいろいろあったなぁ(遠い目)。

前置きはこれぐらいにして映画の話に参りましょう。以前は1作品ごとに割合長めの感想を書いていたのですが、今回は昨年私が観た映画の中から自分流にベストテンを選ぶという形にしました。
なお、映画館・劇場で観た作品が対象です。では、さっそく

    『マチルド、翼を広げ』 (フランス。監督=ノエミ・ルヴォウスキー)
    『幸福なラザロ』   (イタリア。監督=アリーチェ・ロルヴァケル)
    『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(アメリカ。監督=フレデリック・            ワイズマン)
    『荒野にて』     (イギリス。監督=アンドリュー・ヘイ)
    『私のちいさなお葬式』 (ロシア。監督=ヴラジーミル・コット)
    『シシリアン・ゴースト・ストーリー』(イタリア/フランス/スイス。
      監督=ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ)  
    『希望の灯り』    (ドイツ。監督=トーマス・ステューバー)
    『家へ帰ろう』    (スペイン/アルゼンチン。監督=パブロ・ソラルス)
    『たちあがる女』   (アイスランド/フランス/ウクライナ。監督=ベネディクト・エルリングソン)
    『プールサイドマン』 (日本。監督=渡辺 紘文)

こうして見ると欧州映画が多めですね。

一昨年まではアジアや中東の映画が上位に入ることもありましたが、今回は『プールサイドマン』のみ。同じ日本の映画で『解放区』、日系アメリカ人監督による『主戦場』(製作国はアメリカ)等も興味深く観ましたが選外と相成りました。

 1位に輝いた『マチルド、翼を広げ』について。

監督のノエミ・ルヴォウスキーは俳優でもあり、彼女自身のこども時代がモチーフになっている本作では、マチルドの母親(つまり自身の母親)役を演じています。

主人公のマチルドは9歳。大好きなお母さんとパリで二人暮らしです。ところがお母さんは情緒不安定気味。決して暴力を振るったり暴言を吐いたりはしない優しい人ですが、風変わりで突拍子もない言動が多く、マチルドは振り回され何かにつけて支障が出ます。それでも懸命に母を支え、二人の暮らしを守ろうと孤軍奮闘して、いわゆるヤングケアラー状態に置かれている。
しかしそんな生活は長く続けられるものではなく、やがて別れの時が来てしまいます。その時、どれほどの測り知れない感情がマチルドの中で渦巻いたのでしょうか。
「機能不全家庭で育つこどもの話」を題材にした作品は多くありそうですが、その世界観は様々でしょう。ごりごりのシリアス、尤もらしいドキュメンタリー・タッチ、あるいは問題提起型の社会派ドラマ、はたまた難解な不条理劇?等々。

この映画は一見ポップでカラフルな装いに彩られ、半ばファンタジーのような形で差し出されます。こどもの視点により添っていると言えるかもしれません。それがマチルドの揺れ動く心象を鮮やかに映し出し、ともすれば沈鬱さに覆われかねない厳しい物語に躍動感と明るさや温もりを付与し、更に詩的な奥深さをもたらしている印象を受けます。

9歳という年齢はこどもには違いないけれ
ども、同時に徐々に大人への階段を上り始
めるそのとば口にさしかかった微妙に不安定な時期なのではと思えますが、主演のリュス・ドロリゲスがとにかく素晴らしい。この複雑で難しい役を演じるという以上に、”マチルドを生きている”とさえ感じさせます。

もうひとり(というか一羽)、忘れちゃならないのがあの小さなフクロウ。最初に登場する場面の驚き、可愛さ、楽しさは映画のハイライトではないかと密かに思っているのですが、可愛いだけじゃない特別な役割を担っています。孤独なマチルドの友となり、時にはさながら知恵を授ける賢者であり、彼女を助け導き共に行動する相棒です。それはまるでマチルドの内なる声を具現化した、彼女の分身のようです。フクロウを彼女にプレゼントしたのがお母さんというのもポイントですね。
この映画がルヴォウスキー監督の自伝的作品であることに意味深いものを感じます。
長い時を経てこども時代の体験を映画化することで、彼女は何かから解放されたのでしょうか。壊れもののようだった母との関係を嘆くのではなく、誰かを断罪するのでもない、紛れもない愛の物語として母へそしてこどもの頃の自分へ捧げたのでしょうか。
 
 10本全てに感想を入れると長すぎるのであとひとつ、5位の『私のちいさなお葬式』について少しだけ。原題はなんと『THAWED CARP(解凍された鯉)!です。
                      
かけ離れた邦題が付けられるのはよくあることですが、さすがに元のままでは使えないと配給会社の担当者は思ったのか? 笑。でも観た後では原題もおおいに納得できましたけどね。こちらはロシアの小さな村で一人つつましく暮らす、73歳のエレーナが主人公。シビアな現実を包み込むほろ苦いユーモアにたくさん笑わせてもらいました。また、身につまされるところの多い話でもありました。「この村にいるのは高齢者とアルコール依存者ばかり」。それはどうやらロシアに限ったことではなさそうです。
 
 みなさんはどんな映画がお気に入りですか? それでは、いつかまたお会いしましょう。    2020.1.20 矢車菊 香