その手に触れるまで
(ベルギー/フランス 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
ベルギーに住む13歳の少年アメッド。ひと月前までゲーム三昧だった彼が急速にイスラム原理主義の過激思想に染まり、心酔する導師の言葉に沿って凶行に及びます。少年院に入り更生プログラムを受け、人々が手を差し伸べても洗脳は解けない。ブリュッセルにはイスラム教徒が人口の5割~8割を占める地域があり、その中に紛れ込む過激派によるテロが各地で発生しています。年端もいかない子どもがジハード戦士になってしまう危険が日常のすぐとなりにある。
なかでも、ハリウッドから来た撮影隊に感化され、張りぼてのカメラで‟本物の映画“を撮り始めるペルーの村びとたち。異文化への侵食と強烈なしっぺ返し。ハリウッド映画へのオマージュと皮肉が混在する入れ子構造のメタ映画? いろいろと解釈はできますが、それよりも先に半端ない熱量に圧倒され、鑑賞後に不思議と元気が出たのは確かです。 -続ー (