2013年8月6日火曜日

アルバイト店員の悪ふざけ

アイスのケースの中に入ったり、冷蔵庫の中で寝たり、大量のパンの上で横になったり、とアルバイト店員が、自分の悪ふざけ写真をツイッターやフェイスブックに投稿して問題になっている。
テレビや新聞では、若者がSNSの使い方を知らない、内輪受けだけを狙って、多くの人の目に触れることの自覚がないというのが主たる論調。それもあるかもしれないが、そもそもなぜそうなってしまったのかについての論評はない。

 私は、これはSNSの使い方の問題だけではないと思う。職業意識というか、この商品でお金を稼がせてもらっている、あるいはお客様の信用で店が続いているという意識の欠如。以前にもホテルの従業員が有名人が来ていることをツイッターで呟いて問題になっていたが、ホテルというところが何を売ってるところなのか、客はそのホテルの何を信用し、何を期待して利用しているかについての教育不足。バーガーであれ、牛丼であれ、コンビニであれ、皆一緒。
そしてなぜ教育不足になるかというと、雇う側の都合で安く使う労働力の教育なんかに時間と手間をかけていられないから。そんなことに時間と手間をかけていたら何のために安く雇っているのかわからなくなるから。だからマニュアル。表面的なやり方と丁寧な言い方は教えるが、魂まで伝えている暇はない。だいぶ前に製造業に派遣が増えたために事故が増えたという記事を読んだことがあるが、サービス業だって同じ。こういう騒ぎは事故と一緒。手間ヒマかけて育てられていない人に、手間ヒマかけて育てたのと同じプロ意識を期待しても無理
働く人を安価な労働力としか見ていないのに、プロとしての職業意識を持ち、商品に対する敬意を持てと言ったって無理でしょう。自分に敬意を払ってもらっていないのに、商品に敬意を持てと言われたって。自分が安定した生活がおくれるのも、人間らしくあつかわれるのも、この商品のおかげと思えば、商品に対する敬意もわいて来ようというもの。大体、あのパンだって、廃棄前のパンだそうで、パンにだって敬意が払われていないと思うもの。

最後にSNSを使う若者が内輪受けばかりを狙っていて、それを見る人たちが全世界にいるのだという意識が欠如していると言う論調に対してだけど、内輪受け狙いは若者に限ったことではない。今のテレビも、特にパラエティなんぞ、十分に内輪受け狙いだと思う。私は嫌いじゃないし、面白がって見るけれども、決してあれは開かれた番組ではない。一定のお約束がわからないと見ていても面白くないもの。子どもは、というか若者は、いつの時代も大人の写し絵なのであります。    (加藤)