2011年9月10日土曜日

DV離婚を後悔する相談者に対して                 ~フェミニストカウンセリング研究会、今日のテーマ~

今日北野田に移転した堺市男女共同参画交流の広場で、フェミニストカウンセリング研究会が行われました。人数はいつもより少なめの6名。ただ、電話相談員養成講座を終了した新メンバーの参加があったのがとてもうれしいことでした。

フェミニストカウンセリング研究会は、NPOFC学会・堺のメンバーによって構成されているフェミニストカウンセリングに関わる自主的な学習会です。何をするかが決められているわけではないのですが、そのときどきのメンバーの関心にそっていろいろなことが行われています。先回オルフェウス管弦楽団のDVDを見たことは、このブログでも紹介しましたが、今日は電話相談の対応についての検討を行いました。

相談電話で話される話の内容をどうとらえたらいいのか、あるいはどのような情報提供がふさわしいのか、その相談のポイントは何なのか等々、相談担当者の迷いはさまざまです。また初めて聞くような新しい問題に出会うこともありますし、あまりにも重い相談内容に、無力感を感じることもあります。こうした経験を持ち寄り、気づいていないことはないか、どのような対応方法が考えられるか等々、よりよい相談を行うために必要なことを話し合います。

今日のテーマは、DV離婚をしたものの、離婚後の生活がうまくいかず、離婚したことを後悔しているというような相談の場合の対応について参加者で考えました。DV被害を受けながら暮らす必要がないのは当然ですが、だからと言って離婚をしたら全てがOKになるというものではありません。

この社会で女性が生活をするのに十分な賃金を得るのは簡単ではありませんし、離婚がめずらしくなくなったとは言え、離婚に対するマイナスイメージは、今もあります。そのような社会状況の中で周囲からのサポートも十分に得られなかったとしたら、離婚したことを後悔するような気持ちになるのは当然です。こうした気持ちに寄り添いながら、それでもその人が自分の人生を肯定し、将来に、小さくてもいい、何らかの光を見出せるには何が必要なのかを話し合いました。

状況が整わない中で、希望や肯定的な気持ちを持つのはとても困難なことです。「前向きの気持ちを持って」などというのは、言うは易し、行うは難しの見本のようなものです。相談者にああしなさい、こうしなさいというのではなく、また相談者が疲れ果てた心身から、さらに力を振り絞って何とかするのではない方策なないものかと思います。

勇気を持って新しい生活に踏み出した女性を後悔のふちに叩き落すような、今の社会に何とかなってほしいと心から思った今日の検討会でした。             (PON子)