2011年7月11日月曜日

SwingMASA講演録(8)<大せつなのはセルフ・エスティーム>  <引っ込み思案のサキソフォン。プレイヤー>>

7月17日に開かれるDon't Kill Concertは、セルフ・エスティームと深い関わりがあります。自分が生まれてきたことを喜ぶのと同時に、すべての人の生を尊ぶコンサートです。

<大切なのはセルフ・エスティーム>
30歳過ぎてから大学に行き直すという発想は、日本にいたら持てなかったと思います。そういう発想は、私にも、私の周辺にもありませんでしたので、やっぱりカウンセリングを受けて得たことだと思います。

カウンセリングで得た一番大きなことは、セルフエスティーム、自尊心です。自分という人間とちゃんと付き合って、自分という人間をちゃんと尊敬してやるということでした。自分を大切にするということは、今までの私のポリシーにはありませんでした。人を大切にするというのは、ちっちゃい頃から、お母さんとかに刷り込まれてきましたが、自分を大切にするということは教えてもらっていませんでした。お母さんは、自分を大切に生きてきはった人ではないので、そういうことはあまり教えてくれませんでした。
自分を大切にすることが一番大事なんだということを、カウンセリングで学びました。自分という人間との付き合い方が、人との関係の作り方に反映して行くというのも、そのカウンセリングでわかっていきました。

当時同じようにJazzを学びに行ってた日本人の女性の友達たちも、みんなカウンセリングにも行ってましたし、カウンセリング仲間のネットワークができていましたので、カウンセリング仲間で、自分を大切にするためのイベントを何かやろうじゃないかということになりました。そうして始めたのが誕生日パーティです。自分で自分の誕生日を祝う。他の人は、みんなでその人の家に行く。一品持ち寄りで集まってパーティーをするというのをやり始めました。それは結構何年も続きました。
自分の誕生日を自分で祝うっていうのはセルフエスティームの基本だと思います。それをやって、生まれてきて良かったなあと思えるのはすごく大事なことだと思います。

<引っ込み思案のサキソフォン・プレイヤー>
カウンセリングを受けている仲間同士でも、みんなJazzやっていますから、葛藤もありました。私はなかなか人前で演奏する機会を得ることができませんでした。自分のライブパフォーマンスをする機会がなかなか持てなかったんですが、、他の人、ボーカルの人やピアノの人たちはどんどんライブをやっていっていました。自分のコンサートをやっていっていました。それなのに私はなかなか自分のライブがやれなくて、そういう人の自己実現の様子を見ていたら、うらめしいというか悔しいというか、むかつくと言うか・・・・。失敗しはったらいいのにと思うぐらい面白くありませんでした。人の自己実現を喜べない私がいました。
ジャムセッションでも、ボーカルの子はすぐ順番が回って来るのに、私いつも飛ばされていました。サックスという楽器は、他に男のプレイヤーもいっぱいましたし、男性のサックス吹きは、だいたいみんなすごく自己主張が強い。私が、私がみたいな感じで、ライオンとかトラみたいに、自己主張が強い。引っ込み思案のサキソフォーンプレイヤーなんていないんです。引っ込み思案のトランぺッターも少ないんですけれども、引っ込み思案のサキソフォンプレイヤーもいない。

私は、サックスプレイヤーなんだけど、女性で引っ込み思案で、なかなか次は私の番だと言えない。当ててもらうまで、待ってしまっている人間でした。そして、当てられても、自信なさそうにしていたら飛ばされるんです。そんなので、いつまで経っても自分の順番が回ってきませんでした。
カウンセリング仲間の、ヒロちゃんという、ボーカルの子がいたんですけど、いつもちゃんと自分のパフォーマンスをする子でした。あるとき、私には順番が回ってこないのに、後から来たその子が歌ってしまったんです。すごいショックで、悔しくて、もう石があったら投げたいぐらい腹が立ちました。そういう事が何回か続いて、それをカウンセリングで話したところ、また先生がロールプレイしてくれたんです。先生が私役をやって、飛ばされそうになった時に、ちょっと待ってくれっていう言い方とかのロールプレイをやってくれたんですね。
それをそのまま、次のジャムセッションでやったら、うまいこと行って、ちゃんと吹けました。それからその方法を使うって、次から次へとジャムセッションでちゃんと吹けるようになっていきました。

(続きは明日<自己実現の道>)